アディの○○製作所

趣味と日常のブログです

RSGT2020にいって感じたこと、これからやろうとしていること

2019/1/8〜10でRegional Scrum Gathering Tokyo2020(RSGT2020)が開催されました。
昨年度に引き続き、2回目の参加です。今年は体調も良く、しっかりと聴講することができたのでそちらの記録をまとめます。

2020.scrumgatheringtokyo.org

昨年度はこちら
blog.urapro.info

聴講したものと、話をきいて考えたこと

網羅的なまとめはすでに各所に存在しているので、一部を抜粋して。

アジャイルコーチ活用術

資料↓
slide.meguro.ryuzee.com

結果に対する責任度合い、成長に対する責任度合いで振る舞いが変わるということはアジャイルコーチでなくても考慮できると思いました。
特に、暗黙のうちに結果に対する期待値/責任度合いはずれていくもの(スクラムってやつはいいものの開発が成功するんだよね!問題)だなぁと常々感じているので、期待値を言語化するのはとても大事だと感じました。
そしてマネージャーの評価が難しいというのと近いものがあるのかな。と感じています。自分自身が評価してもらうときもそうなのですが、期待はなんだったのかというのを明らかにするのが一番苦戦します。
もしかすると、チームの問題を発見するということは、自分の活躍の場を探しているのと近いのかもしれません。有効性=期待値との比較で考えること、はどこでも意識できることだなと感じました。

また、忙しすぎるアジャイルコーチは適切にinputできてないことの裏返しである可能性があるので良くない。という話はアジャイルコーチではないけど身にしみました。

みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?

資料↓
speakerdeck.com

自分達のPBIのビジネス価値を「ダイヤ」という表現をするのはとても素敵だと感じました。
「価値」という観点を様々な事業KPIと紐づけて一列になるように判断するのは本当に難しいです。
そのときに「どんな価値があるのか?」という視点を自分達で定義して、評価できるのは安心感にもつながるなぁと思います。
なにより、固い言葉がポップな共通言語になるというのが良いと感じました。チーム内の共通言語、本当に大事。

僕のチームでは「今期求めている成果につながる度合い」をバックログの評価に入れているのですが、それを共通言語化してうまく運用できている良い形だな、と感じました。

見積りしないスクラム/No Estimates Scrum

資料↓
speakerdeck.com

「見積もり as a コミットメント」の語感が良すぎ。これがトラウマになって見積もる事自体が嫌いだ!という人は結構いますよね。
そうすると「1週間以内におわるPBIへの分割」さえも嫌になってしまう人がいたりしてどんどん負のループに入っていってしまう感じがします。悪い面だけが異様に目立つと言うか。
しかし、もちろん予測することに罪はないはずで、罪があるのはきっと我々のコミュニケーションなのですが、どうしても上手くいかないときはあるので、その時の思考の切り替えとして自分の引き出しにもっておきたいな。という話でした。

このスライドでも「価値」の話が出てきました。価値、Outcome、大事。

特殊部隊SETチームの日常 - 技術と実験を融合した実践アジャイル術 -

資料↓
speakerdeck.com

このLearning Sessionにとても興味を持ちました。
モブプロ、しかりモブ作業。それぞれが学ぶことを楽しむ、みんなで同じ会話ができるようになる。とても良い姿で、僕の好きな環境です。
「プロであれば業務中に勉強する」については「毎日試合だとすると練習時間はなくなるのでは...?」と思ったりもしたものの、「闘いの中で成長する」という意気込みで取り組むのが大事なんじゃないかな?と思えるので、根本的にはきっと同じです。

また、 compatio のくだりには非常にぐっと来ました。こういうの好きです。
一緒に痛い目をみる、一緒に苦しむ、それがあってこそのチームの発展なんだ!と思います。
ちょっと別角度ですが、僕がチームの中で作業をしていたい理由はこの感覚なのか!と思ったりもしました。

組織変更して部長がいなくなってから起きたこと

資料↓
speakerdeck.com

「"部長"の役割再配置」はCSM研修のときにやった「マネージャーの役割再配置」を思い出しました。
僕のチームもいわゆる部長ポジションが居ないわけではないですが、意思決定の多くはチームに委ねられています。
故に「議論に時間がかかる」とかは僕のチームでも抱えている問題で、これは受け入れるしかないのか...と感じました。まさしく「銀の弾丸はない」という話なんだろうな、と。

チームで採用をすることに関して、社内ジョブボードは非常におもしろいとりくみだなと思いました。
今やりたいと思える仕事を見つけたら、それをやることができる。というのはモチベーション的にもキャリア的にもポジティブだと感じます。
これをハリボテ状態にせずに運用するには大きな努力があるんだろうな...と感じるので、そのへんの話をぜひききたいなと感じました。

Going Agile with Tools - たまにはツールの話もしようぜ

資料↓
speakerdeck.com

「ツールが使いこなせていないのは、チームが機能していないからです」は非常に心に刺さる言葉ですね。
業務フローがぐちゃぐちゃなので、ツールを導入してきれいにしよう! => できませんでした!っていうのを何度か目撃してきてるので...
ツールが「スキルを補助する」のか「スピードを上げる」のか、どちらかを行う。という明快な区切り、自分ができてなかった言語化がされた気分でなるほど、と感じました。

すでにチームに持ち帰って今週やったこと

こんなセッションを聴講してきて、すぐに持って帰れるものがいくつかあるな、と感じました。
まだまだやることが決まっただけで実行完了までは行ってないですが、、以下のようなものは開催翌週の火曜日からすぐにチームに展開してみました。

Learing Session

例えば僕のチームの中ではほぼ全職種が「Git(GitHub)」と「Google Spreadsheet」を利用しています。
これらのツールへの知識差から生じる、本質的でない無駄な業務などが度々発生するのが悩みでした(Gitの知識の不足から、起こさなくても良かったコンフリクトを回避できない。とか) 。 ここで本当に必要なのは「批判的思考」だったりすると思っているので、できる人に任せる!ではなくて、これは実な無駄な作業だったのか。という気づきを得たりするという目的で共同学習(上手な人の作業を見て盗む)を使いたいな、と思っています。現在開催を(スライドにならって気持ちの合う人数名と秘密で)進めてます。
良いものはみんなで共有。この気持ちをメンバーみんなで持てるようにしていきたいです。

モブプロ

モブテストケース作成(これは認識齟齬を撲滅するのに本当におすすめです)、というのを以前にやったことがあるのですが、
本格的に「エンジニアだけを集めてモブでプログラミングの作業」というのはやったことがなかったので、今回実行に踏み切り、予定をたてています。
幸い、今のチームメンバーに見たスライドと僕の感想だけで乗り気になってくれたので、初回実施にあまり障壁ははなかったです。

最高のセッションをありがとうございました。

全体の感想

「価値」と「モブプロ」。この2つの言葉が非常に多く目に入り、これらは大事なものだ!と刷り込まれたRSGTでした笑

スクラムの話!というのはそんなになくて、スクラムが掲げている「自己組織化されたチーム」を「作業を成し遂げる策を自ら選択し、そのために必要な学習をすることができる」と定義し、そのための仕組みづくりの話、支えている人の話、革命を起こす人の話、などだったな、と思います。
個人的には学習をする/促す。そのために仕組みを変えていく。といった類の話が好きなのでとても心に響くものが多かったです。

またチーム視点に関して、「私じゃなくて我々」みたいなチーム視点みたいなのもあるけど、それ以上に本当は「あなたも私も私」と言えるようなチームがいいんだろうなぁと感じました。
他人事ではない。自分が成長する。自分の成長はチームの成長である。プロダクトのOutcomeは自分が(わかるように)定める。それが大事なんだな、と深く思えました。

他人事じゃないと思える活動をまずは小さくやってみたい。
なにかに賭ける生き方をしたいなって気持ちがとても出てきたカンファレンスでした。

RSGT2021のSuper Early Birdチケットも無事手に入れる事ができました!
ので、また来年は違ったことを感じられるように自分が成長していきたいな、と思いました。